マイクロソフト株、5%強上昇-23年度売上高と営業利益2桁増見通し

 
The Microsoft logo is illuminated on a wall during a launch event. Photographer: Drew Angerer/Getty Images North America
マイクロソフトは26日、2023年度(22年7月-23年6月)の売上高と営業利益について明るい見通しを示した。精彩を欠く4-6月(第4四半期)決算の発表後に高まった成長懸念が後退し、株価は時間外取引で一時5%余り上昇した。
同社は決算発表に関する電話会見で、23年度の売上高と営業利益が2桁の伸び率になると予想。為替相場変動で通期売上高が約4%、今四半期は約5%押し下げられる見通しを示した。ドル高による海外売り上げへの大幅な影響を懸念する見方は後退した。
ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は業績見通しが「衝撃的に強い内容だった」と述べた。
マイクロソフトはクラウドサービス「アジュール」でより大口の契約を獲得しており、生産性ソフトウエア「オフィス」のクラウドサービスで一段と高額のプランに顧客を移行させていると説明。費用は人材採用ペース抑制などの影響で減速する見通し。サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は電話会見で、不安定な経済情勢を踏まえて一部顧客がテクノロジー支出の管理に役立ち得るマイクロソフトの製品やクラウドソフトに引き寄せられるだろうと指摘した。
業績見通し発表後にマイクロソフトの株価は一時269.41ドルに上昇。決算発表直後には約2%下落する場面もあったが反発した。
会見に先立ち発表した4-6月期決算では、売上高と利益がアナリスト予想を下回った。不利な為替レートに加え、クラウドサービスやパソコン向けソフトウエア、オンライン事業への広告に対する需要が弱まったことが業績に重しとなった。
発表資料によれば、売上高は12%増の519億ドル(約7兆1000億円)。純利益は167億ドル(1株当たり2.23ドル)に増加した。ブルームバーグが調査したアナリスト予想平均は売上高が524億ドル、1株利益が2.29ドルだった。アジュールの増収率は40%に鈍化し、市場予想を下回った。
マイクロソフトの決算発表についてブルームバーグ・インテリジェンスのアヌラグ・ラナ氏が解説
ドルの急上昇で海外売上高が目減りし、売上高や利益に痛手となっており、マイクロソフトは6月上旬に業績予想を下方修正していた。同社はアジュールやオフィスといった部門で人材の採用を抑制している。
4-6月期の総売上高は2020年9月以来の低い伸びとなり、アジュールの増収率は低下が続いた。顧客が世界的なリセッション(景気後退)の可能性を想定し、購入を先送りしたことから、四半期最後の数週間に需要がさらに鈍化したとカウエンのアナリスト、デリック・ウッド氏は指摘した。
ジェフリーズのリポートによると、アジュールの増収率のアナリスト予想は44%。1-3月(第3四半期)は46%増収だった。
エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)はインタビューで、為替相場変動の影響を除けば、アジュールの増収率は4月時点の予想を1%下回る水準だったと説明した。将来の売上高の指標とされるコマーシャル・ブッキングは25%増と、会社側予想を「大幅に」上回り、マイクロソフトのソフト製品に対する法人需要が依然堅調なことを示唆したと同CFOが付け加えた。
一方で、ウクライナに侵攻したロシアでの事業縮小で1億2600万ドルの費用を計上。さらに、中国でのハードウエア製造施設の操業停止やパソコン市場の不振で、コンピューターメーカーへの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」販売に悪影響が出た。同社は今月、従業員18万人の1%弱の削減を発表しており、4-6月期に1億1300万ドルの退職金支払い費用を計上した。